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インタビュー
インタビュー vol.9
勉強をどのように活かしていけばよいのですか?

みなさんは、どうして勉強しているのですか?将来のため?何のため?
そこで今回は、将来先生になるために勉強している生徒が集まる大学、宮城教育大学に、聖ドミニコ学院高等学校の生徒がお伺いし、勉強の活かし方について、阿部芳吉副学長と田幡憲一教授、学生の先輩方にインタビューしてきました。

どのようなことを勉強するために 大学に通うのですか?

阿部先生:大学では、将来の夢を実現するために、自分の興味のある分野の専門的な内容を勉強します。医学部や経済学部といった言葉を聞いたことがありませんか。
 例えば、「医者になりたい」という人は、大学の医学部に通って勉強し、医者を目指すのです。
私たちの大学は、教育に関わる仕事がしたい、という人が集まる専門的な大学なので、生徒は、小中高の教師や幼稚園の先生などになるための勉強をしていますね。
 また、具体的な職業ではなくても、「経済のことを勉強して、社会に出たい」というような目標を持って大学に入学する人もいます。大学での勉強や生活を通じて、将来の進路を明確にしていくのですよ。


 

学校で勉強したことを、どのように今後へ活かしていくのですか?

田幡先生:みなさん、「実習」という言葉を聞いたことはありますよね。実習とは、実際の現場で知識や技術を学ぶ勉強のことです。学校の授業など、机の上で学習したことを、「本当にそうなのか」、「このような場合には、こうして対応する」というように考えながら、実践してみるんだね。
 「教育実習」という例を挙げると、イメージしやすいかな。おそらく、教育実習の先生から、みなさんも授業を受けたことがあると思います。みなさんが教育実習の先生から勉強を教わっているのと同時に、教育実習に来ている先生たちも、教師になるために大学で勉強し、教科の知識や生徒への教え方などを、これから実際に教師になった時にどうやって活かしていくか、実習を通して勉強しているのです。


実習をした時の感想を教えてください

大学生の先輩:大学でいろいろと勉強はしていましたが、実際に実習に行ってみると、勉強してきたことと異なる出来事や、準備していた内容が活かせないということが、たくさんありましたね。
 特に、「相談をされたら、どのように接すればいいのか」とか、「人見知りの生徒とは、どうすれば仲良くなれるのか」というような、子どもと関わり合い方は、わからないことの方が多かったと思います。
 逆に、勉強していてわからなかったことを、「こういうことだったのか!」と理解できたこともありましたが、やっぱり、実際に経験してみるとわからないことだらけで、毎日実習が終わってから、家で勉強していましたね。

田幡先生:そうだろうね。「学校で勉強したことだけで十分」なんてことは絶対にないんだから
  学校で習った勉強を、「本当に正しいのか」、「ちゃんと活用できるのか」というように、現場で実践して確認することが、実習の大きな目的の一つなんです。
 同じような言葉をかけても、みなさん一人ひとりに個性があるように、子どもによって反応や感じ方が違う。子どもの成長はとても早いので、学年によっても違う。勉強して覚えたことが通じないということがあっても、それは当然のことなんだよね。
 だからこそ、毎日勉強が必要。わからなかったことはもちろん、より子どものことを理解するためにも、もう一度勉強をして、実習で確認するのです。

勉強はあまり好きではないのですが、大人になっても勉強はするのですか?

田幡先生:私の年齢になっても、いつも勉強していますよ。勉強と言っても、専門書を読むことだけではなく、勉強会に出席して先生同士で話し合ったり、授業や学校生活を通して生徒から学ぶことなど、形はいろいろあります。
 「もっと勉強したい」という大人が多いので、宮城教育大学でも、「教職大学院」というより専門的な大学院を今年度から設置しました。「より専門的な知識を持った教師」や「宮城や日本を引っ張っていくようなリーダー的教師」を育てることなどを目的としているので、大学を卒業したばかりの人よりも、既に教師として働いている人の方が多いです。
 大学の授業でも、「理論をどのように実際の現場で活かしていくか」という、やり方を教える授業を始めています。この方法を身につければ、一生勉強できるので、ずっと成長できますから。
 また、勉強は好きじゃないと言っていましたが、「こういう風になりたい」とか、「この部分を知りたい」というように、学ぶ目的がはっきりしていると、勉強も楽しくなりますよ。みなさんでしたら、将来の夢が見つかったり、行きたい学校ができてくると、勉強が楽しくなったり、意欲がわいてくると思いますね。

こういう人が入学してくれると嬉しいというような理想はありますか?

大学生の先輩:チャレンジ精神や意欲のある人がいいですね。私は引退する時期が来るまでバレー部に入っていたのですが、監督はいませんでした。ですが、自分たちでいろいろと練習方法を考えたり、役割分担をしながらチャレンジしましたので、とても楽しかったし良い経験になりましたよ。

阿部先生:理想というのはないですね。極端な話をすれば、学ぶ意思を持っていれば誰でもいいのです。大事な事は学校に入ってどうなるか、学校側の姿勢だと思います。
 私たちの学校では、「明るくて優しい」、「わからない所を優しく教える」「えこひいきしない」「悪い事をした時には厳しくしかる」という教師を育てるため、日々取り組んでいます。「しかる」というのは、「怒る」とは違いますよ。「怒る」というのは自分の思い通りに行かない時に当たり散らすこと。「しかる」というのは相手をそっと諭すこと。こういう教師になって卒業して欲しいですね。

最後に、勉強の活かし方について悩んでるみなさんへ、メッセージをお聞かせください

阿部先生:私が小さい頃に教わった先生に、あだ名が「催眠」という先生がいました。あだ名の理由は、眠くなるほどつまらない授業だったから。その時に「俺が将来先生になって、楽しい授業をする。誰も寝させないぞ」と思い、教師を目指したのです。
 今でも、生徒がつまらなそうな顔をして授業を受けているのを見ると、「もっと勉強して、絶対に楽しい授業、にしよう」と思い、勉強しています。先生だって悔しいですから。毎日挑戦しています。
 みなさんも将来の夢を見つけ、机に向かって勉強するだけではなく、いろいろな事に目を向けてチャレンジしてくださいね。そして、失敗したことやわからなかった事は、次に改善できるように自分で調べたり、他の人にアドバイスを聞いてみましょう。そういった意欲を持っていれば、勉強が日々の生活に活きてくるはずですよ。頑張ってください。